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                               インタネット情報&ヨシダブログ                      
   このコラムは去る2012年3月9日にある動機を得て開設したものでして、取材源は40前後に及ぶ新聞・経済誌・受信メルマガ等々でしたが、最近に至り、経済誌が主流になっています▼多くの記事を編 集しつつ、「ヨシダブログ」と称してヨシダが感じることを誰憚らず自由闊達に記述(ブログ)することにしているものでして、その編集の在り方は独特のものと自負しています▼なお、開設以来、その編集のあり方を巡って試行錯誤するなかで、記事に登場する人物や当該写真資料などをグー グル検索で取得して添付するなどしています。編集執筆者ヨシダに とって、記事を巡る歴史や文化芸術の学びの場にもなり、嬉しく感じています。▼過去のものはすべて、「インタネット情報&ヨシダブログ」に収録しています。ご覧のように、本日現在でNo.6650件に到達しました!ヨシダブログだけでも単行本に換算した10冊以上になるほどのボリュームです。と、他愛もないことでガッツしている85歳編集長です▼おって、取材源記事においては、当該写真が「当日の当該記事」こ限ってのものもあり、編集掲載後日にクリックすると消滅する場合がありますのでご諒承ください。一旦、グーグル掲載されたものは「公開されたもの」となるためか、消滅しませんので、可能な限りにそのステップを踏んだ写真を青文字編集コラムに入れています▼添付写真資料の中に混じって「文字画像」を最近使用しています「きょうのできごと」編集で生じたニーズですが、本コラムでも利用します。もっとも、その殆どは日本語ではなく」英語です。日本語では全く出てきません。グーグル社がアメリカ生まれだけに、日英語版の格差といったところと理解しています。

                       2017年1月1日記        
                        編集者:吉田祐起   
 
               No.6701-6900」(2017.1.31.-2017.   )
            

反移民政策により内外からの批判を浴びるトランプ新大統領だが、その波紋は一族のビジネスにも影響を及ぼしている。米大手百貨店ノードストロームが2月に入り突然「イバンカ・トランプ・コレクション」の扱いを取りやめた。これに対しトランプ大統領はツイッターで「娘のイバンカは極めて不公平な扱いを受けている。ひどい!」と応酬。ドロ沼の戦いの様相を呈してきた。

イバンカブランド窮地 大統領一族は副業を続けるか

土方細秩子 / フリーライター

反移民政策により内外からの批判を浴びるトランプ新大統領だが、その波紋は一族のビジネスにも影響を及ぼしている。米大手百貨店ノードストロームが2月に入り突然「イバンカ・トランプ・コレクション」の扱いを取りやめた。これに対しトランプ大統領はツイッターで「娘のイバンカは極めて不公平な扱いを受けている。ひどい!」と応酬。ドロ沼の戦いの様相を呈してきた。

その過激な発言と行動が世界中で大混乱を巻き起こしている、トランプ新大統領。日本でも「メキシコの壁」「世界7カ国からの入国制限」などといった公約に関するニュースが報道されていますが、彼を大統領に選んだアメリカ本国では、どんな評価や報道がなされているのでしょうか。そこで、メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者で米国在住の作家・ジャーナリストの冷泉彰彦さんに、日本からは見えないトランプ政権の現状と展望についてお話をうかがいました。

■冷泉彰彦が予測するトランプ政権の未来と火種

――冷泉さんは長年アメリカに滞在されているということで、大統領が変わる節目のタイミングも何度か経験されていると思うんですが、今回のトランプ大統領に関しては、現地の空気感はかなり違うものなのではないでしょうか?

冷泉:もう全然違いますね。前回のオバマ大統領のときは、ものすごい数の人がワシントンに集まって「良かった、良かった」ってやったわけですね。まぁ、それはちょっと例外だとしても、その前のブッシュ大統領のときはどうだったかっていうと、さすがにそこまでの熱狂ではなかったけれど、「一応選ばれて大統領になるんだから、期待しようか」みたいな空気があって、大きな反対の声っていうのはなかったんです。

さらにクリントン大統領の時を振り返っても、その時は「ベトナム反戦運動をやってたベービーブーマーが、大統領になるなんてとんでもない」「それじゃ、俺たちベトナムで苦労した人間は何なのさ」ってことで、右翼がちょっと騒いだりとかはあったんですが、それと比べても今回ほど異様な空気の中で大統領就任っていうのは、これまで経験がないですね。

――今回の大統領選では「隠れトランプ派」と呼ばれる層が結果を左右したと話題となりましたが、そういった方々の現在の反応はどうなんでしょうか。

冷泉:私が住んでいるのはニュージャージーなので、トランプ派は少ないんですけど、川渡った向こうのペンシルベニアは、トランプさんが勝った州なんですよ。そこに住んでるITの技術者の友人がいるんですけど、選挙前はそんなにトランプさんが強いっていう雰囲気はなかったんだけど、選挙の翌日に会社で話をしたら、「大きな声で言えないけど実は彼に入れたっていう同僚がかなりいてびっくりしたって言うんですよね。

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それとペンシルベニアのかなり西のほう、オハイオとの州境に住んでる私の教え子の学生も、選挙後に周りと話をしてみたら、自分と友達の一人以外は全員トランプ派だったんで驚いたって話をしてましたね。その人たちは感じの悪い人たちじゃないし、それで仲が悪くなっちゃうってわけじゃないんだけど、でもやっぱりそこまでなのかっていうんで、衝撃を受けたってことでした。

ただ、今回トランプさんが大統領に正式就任したということで、そういう「隠れトランプ派」も、隠れてない「堂々トランプ派」も含めて、みんなお祭り騒ぎで喜んでいるかっていうと、意外とそうでもなくて、割と静かなんですよ。もちろん「私はワシントンD.C.に行って、旗を振るんだ」って人もたくさんいますよ。でも大部分は、意外と冷めてる感じがありますよね。彼が選挙戦の時に約束したように、雇用を取り戻してくれるまでは評価を控えるみたいな。「お手並み拝見」といった感じですかね。

――閣僚のメンバーも決まり、どういった政権運営を行っていくかに注目が集まるところですが、冷泉さんはトランプ政権の当面の問題点は、どういったところだとお考えですか。

冷泉:閣僚の顔ぶれに関しては、アメリカに住んでる人間にとっても、あまり馴染みがないから、どうなるんだろうっていうのはみんな思ってると思いますよ。

ただ現状、すごく困ってるアメリカ人って多くて、特に中西部に住んでいる白人たちは仕事がなくて、相当行き詰っているんです。トランプさんは、そういう人たちにとって希望の星だって言われて、それで大統領にまでなったんですが、今回閣僚になった人たちはほとんどが億万長者で、お金がザクザク余っているような人たちばっかりじゃないですか。だけど、とりあえずトランプさんを支持した人たちは、その点は我慢している。「彼らは億万長者かもしれないけど、少なくてもオバマやヒラリーのようなエラそうにキレイごと言うやつらとは違うから、何か壊してくれるだろう」って思っているんでしょう。

その辺は「水と油」といったところがあるんですよね。日本にとってすごく気になるドル円の為替相場でいえば、トランプさんが当選してからは「強いアメリカ、強いドル」で、円安で来てるわけじゃないですか。ただ私としては、トランプさん自身が「中国は為替操作をしていてけしからん」とか言ってるし、やっぱりアメリカの輸出を伸ばすんだったら、ドル安に持っていくのかもしれないなと思っていて、案の定そういう発言もあったんです。ところが、財務長官に内定したムニューチンさんはドル高でいくんだ」って言ったわけですよ。これって完全に矛盾してますよね。

でも、ひとつのことが矛盾してるからといって、それで政権運営が停滞してしまうわけではなくって、このままずっと矛盾を孕んだまま進んでいくでしょう。

――そもそもトランプ大統領は、「水と油な2つの支持層を抱えているということですが、その問題に関してはどのように折り合いを付けていくんでしょうか。

冷泉:そうですね。2つの支持層のうちのひとつは、仕事がなくて困ってるすごく貧しい人たち。「有色人種ばかりいい思いをしてて、自分たちは白人なのに苦労している」みたいな。そういう人たちは、トランプさんがとにかく何かしてくれるだろうと思ってて、「とにかく仕事をよこせ」「健康保険をもっと安くしろ」「公的年金ちゃんと支給してくれ」とか思ってるわけです。

ところが共和党の本流の人たちは、みんな億万長者だから「大企業を優遇しろ」「税金を安くしろ」「福祉もカットで」って思ってますし、世界中からお金がザクザク集まってきて、投資銀行が大儲けするから、ドル高も大歓迎なんですよ。
 
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そうなると「どっちの意見を聞くんだ?」って話になるんですが、立場がいよいよヤバくなったら、お得意のパフォーマンスでウヤムヤにするんですよ。CNNの記者とかに「おい、おまえ何だ」ってイチャモン付けたり、あるいはロシアのホテルでの一夜が……とかいうネタを小出しにして、「そんなん違う」っていうやり取りをしたり。あとは、娘さんや奥さんが突然出てきたりとか……。そういうことの繰り返しが当分は続くような気がしますけどね。

当然そんなんじゃ、どこかで破綻するんでしょうけど、彼もバカじゃないですからね。トランプさんというのは、まったくもって真面目な男じゃないですけど、頭はいいですから。あんな「行き詰まったら破産でチャラ」みたいな、いいかげんな企業経営をして来たにもかかわらず、とりあえず生き残ってますからね。だから、このままゴマ化しゴマ化しで進んでいっても結果オーライってことになる可能性も無きにしもあらずかもしれません。……ただやっぱり、半々以上の確率でコケるような気がしますけどね。

――では、具体的にどのようなことがきっかけでトランプ政権の危機というものが表面化するものと思われますか?

冷泉:彼にとってみたら、当選してからずっと株高できているわけですよ。これって結構、皆さんが予想してたのと全然違う展開なんですよね。10月頃までは誰もが「まさかトランプは当選しないけど、もし当選したら大暴落だ」って言ってわけだから。

大統領選の開票当日、私は日本にいたんですが、日本時間のお昼頃に「トランプ優勢」っていう情報が流れて、その後あれよあれよっていう間にフロリダやペンシルベニアを取ったじゃないですか。その時、日本の株価はガンガン下がって、円も101円ぐらいまで上がったりと、この世の終わりのような雰囲気になりましたよね。ところが、日本の市場が閉まった午後4時ぐらいにトランプさんの当確が出て、彼が勝利宣言ですごくまともなことを言ったと。そうしたら、ヨーロッパの株はすうっと戻していったんですよ。それ以降、ずっと株高で来ているわけなんですが、これって政権への期待感の現れでもあるんでしょうけど、トランプさんにしてすれば逆にやりにくいですよね。これから下がる可能性があるわけだから。

リーマンショックが2008年に起きて、2009年がアメリカ経済のどん底だったんですが、それ以降は今まで、アメリカの株は上がり続けているんです。だからトランプさんが心配するように、株価が下がるタイミングが今後あるかもしれない。そうなるとアメリカってすごく現金な社会なので、「株価が下がったから、お金を使うのやーめた」ってなりますから。そうなると「消費が落ち込む→景気が悪くなる→雇用が悪くなる→失業率が上がる→大統領の支持率が下がる」っていうスパイラルが、起こると思うんです。

これって、シビアな人に言わせると「就任から半年で起きる」ってことなんですけど、逆にどんなに甘く見積もったとしても、中間選挙が行われる2年後の2018年までは持たないでしょう。とはいえ、トランプさんもバカじゃないだろうし、少なくとも政権にいる億万長者のスタッフたちは、みんなバカじゃないですから。そうなった時に適切な手を打てれば、うまく乗り切れると思うんですけどね。ただ、そういう局面が恐らく私の感覚でいうと、何となく1年半ぐらいの間に訪れるような気がしますね。

――閣僚の顔ぶれを見ても、正しい方向に導いてくれそうな人材っていうのはいなそうですか?

冷泉みんな優秀なんですよ。頭が滅茶苦茶いい人が揃ってますから。ただ、彼らが何を目指しているのかがよく分からないんですよ、本当にね。

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一番分からないのが、何で国務長官が石油メジャーの社長っていう、訳の分からない人事になったかじゃないですか。そのうえエネルギー長官も、もともと石油関係だったテキサスの知事さんだったりとか。今の時代何やったって石油の値段って上がるわけないんですよ。シェールはガンガン出るし、天然ガスは世界中でだぶついているわけですから、例え戦争をやったって、石油の値段なんて上がりませんよ。そういった意味でも、彼らが何を目指しているのかって、よく分からないですね。

――トランプ政権の不安材料としては、これら以外にも「利益相反問題」も取り沙汰されていますね。

冷泉:いわゆる「トランプリスク3連発」っていうのがあるんですよ。まずは株価下落と失業率上昇で、みんながブーブー文句言い始めるっていうのが第1弾。そしてお金持ちと貧困層っていう2つの支持層の意見が対立して、閣内もギクシャクし始めるのが第2弾ですね。そこに、ニューヨーク・タイムズあたりがずっと嗅ぎまわっているという、トランプさんの会社と大統領職の公私混同疑惑、つまり「利益相反問題の決定的なところが明るみになると。これらが3段方式で発生するというのが、トランプリスクのひとつのトータルの姿じゃないかなと思っています。

利益相反問題」に関しては、色んな話が出てきてますよね。顧問弁護士が出てきて「確かにトランプのビジネス続くし、それは息子たちが引き継ぐけど、オヤジさんが大統領に就任したら、外国での業務提携や業務拡大は一切しない」って言っていたにも関わらず、その後すぐにスコットランドにあるトランプさんが所有してるゴルフコースに対しての拡張申請が通っちゃったりね。

許可したのはスコットランド政府なんだけど、経済貢献のためにやりなさいってことで、義務なんですって。だから止めれないし、拡張工事が終わった後は、そこでガンガン営業しなきゃいけないじゃないですか、元を取るために。そういうことになると、もしもスコットランドの人たちが「今度大きな大会やるけれど、どこのコースにする?」って話になったら、「トランプコースかな」ってなっちゃうんですよ。「やっぱりあれだけ投資してくれたからトランプにしようか」ってことで。それって、やっぱりマズいんですよ。
 
あるいは、どこかの国の王様か大統領とかがワシントンを訪問した時とかに、「どのホテルにお泊まりですか」って言われたときに、「リッツ・カールトン」って言ったら、トランプ氏はたちまちケンカ腰になりそうじゃないですか。「あなたにご迷惑が掛かるので、リッツ・カールトンにしました、おほほ」とかいう、奥ゆかしい話が通じる人じゃないですし。だから「やっぱりトランプホテルはいいですね。ベットもふかふかだし。やはり人生の旨味をご存じな方がオーナーなだけに流石ですな」ってことになって、それにトランプさんも「いやぁ、どうもどうも」って応えちゃうわけです。「ちなみに割引もあったらしいですけども、私はフルで泊まりましたから」「そうか、ありがとう」だなんて言っちゃいそうですからね、彼は苦労人ですし。でもマズいんですよ、それってやっぱり。そのあたりの問題はどこかで炸裂しそうですよね。

――根本的に解決するには、資産を売却するなり、放棄するしか方法はなさそうですよね。

冷泉:ところが、記者会見で顧問弁護士がポロっと言ってたんですけど、実は全株売却も視野に入れたらしいんです。でもそうすると、トランプ一族はものすごい負債を背負うことになるんですって。だから上場することも視野に入れたけど、それはとても間に合わないから、仕方なく息子さん達が継承することにしたと。トランプ側は「何ら法律違反はしていません」って言ってるんだけど、その話を聞いて、私は予想通りだなって思ったんです。「あぁ、やっぱりこの人たちは当選するって思ってなかったんだな」って。まぁ可哀そうと言えば可哀そうな話なんですが、身から出たサビですからね。

この手の話は、もうすでにゴロゴロと出てるんですよ。そのなかでも最も大きい爆弾が、いわゆる「ドイツ銀行問題」。トランプ・オーガニゼーションっていう会社が、ドイツ銀行から日本円換算で900億円ぐらい、下手すると1000億円ぐらい借りてるんですよ。ドイツ銀行も経営がヤバいんで、返せっていう話になってるんですけど、トランプ側は無い袖は振れないってことで、ケンカになってるんです。そんな状況だけに、今後トランプさんがメルケル首相と会った際に、こっそり「ちょっとドイツ銀行の件で……」とか言い出したりって、彼ならやりかねないんですよね。どっかの怪しい王様の国とかならまだしも、アメリカの大統領がそれをやっちゃったら相当マズいですよね。

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そういった危うさは、誰もが何となく薄々と気づいているんです。ただ、それでも貧困層たちは彼のことを支持するんです。「あのお方は自らの額に汗して、政府から変な援助を受けたりインチキとかもしないで、酸いも甘いも心得て頑張ってきた苦労人なんや!そんなトランプはんをキレイごとで叩くなんて、とんでもない億万長者で、ニューヨーク・タイムズばっかり読んで、おほほと偉そうで、ヒラリーみたいに着飾って、とんでもないやつや!」みたいなノリで。

ところが「トランプリスク3連発」が発動して、やがて「トランプも私たちの味方じゃなかった」みたいな空気になる危険が、どこかにあるわけです。もしそうなったら、そこで政権は立ち往生ですよ。そうなったら、あの人は多分「やってられねえよ、アホらしい」ってことで、さっさとケツまくって辞めちゃうんじゃないかと思うんです。そんな政権放棄による混乱の可能性も含めた「トランプリスク4段ロケット方式」といった事態が、今後大いにありえそうな気がしますね。

――トランプ政権の不安材料としては、これら以外にも「利益相反問題」も取り沙汰されていますね。

冷泉:いわゆる「トランプリスク3連発」っていうのがあるんですよ。まずは株価下落と失業率上昇で、みんながブーブー文句言い始めるっていうのが第1弾。そしてお金持ちと貧困層っていう2つの支持層の意見が対立して、閣内もギクシャクし始めるのが第2弾ですね。そこに、ニューヨーク・タイムズあたりがずっと嗅ぎまわっているという、トランプさんの会社と大統領職の公私混同疑惑、つまり「利益相反問題の決定的なところが明るみになると。これらが3段方式で発生するというのが、トランプリスクのひとつのトータルの姿じゃないかなと思っています。

利益相反問題」に関しては、色んな話が出てきてますよね。顧問弁護士が出てきて「確かにトランプのビジネス続くし、それは息子たちが引き継ぐけど、オヤジさんが大統領に就任したら、外国での業務提携や業務拡大は一切しない」って言っていたにも関わらず、その後すぐにスコットランドにあるトランプさんが所有してるゴルフコースに対しての拡張申請が通っちゃったりね。

許可したのはスコットランド政府なんだけど、経済貢献のためにやりなさいってことで、義務なんですって。だから止めれないし、拡張工事が終わった後は、そこでガンガン営業しなきゃいけないじゃないですか、元を取るために。そういうことになると、もしもスコットランドの人たちが「今度大きな大会やるけれど、どこのコースにする?」って話になったら、「トランプコースかな」ってなっちゃうんですよ。「やっぱりあれだけ投資してくれたからトランプにしようか」ってことで。それって、やっぱりマズいんですよ。
 
あるいは、どこかの国の王様か大統領とかがワシントンを訪問した時とかに、「どのホテルにお泊まりですか」って言われたときに、「リッツ・カールトン」って言ったら、トランプ氏はたちまちケンカ腰になりそうじゃないですか。「あなたにご迷惑が掛かるので、リッツ・カールトンにしました、おほほ」とかいう、奥ゆかしい話が通じる人じゃないですし。だから「やっぱりトランプホテルはいいですね。ベットもふかふかだし。やはり人生の旨味をご存じな方がオーナーなだけに流石ですな」ってことになって、それにトランプさんも「いやぁ、どうもどうも」って応えちゃうわけです。「ちなみに割引もあったらしいですけども、私はフルで泊まりましたから」「そうか、ありがとう」だなんて言っちゃいそうですからね、彼は苦労人ですし。でもマズいんですよ、それってやっぱり。そのあたりの問題はどこかで炸裂しそうですよね。

――根本的に解決するには、資産を売却するなり、放棄するしか方法はなさそうですよね。

冷泉:ところが、記者会見で顧問弁護士がポロっと言ってたんですけど、実は全株売却も視野に入れたらしいんです。でもそうすると、トランプ一族はものすごい負債を背負うことになるんですって。だから上場することも視野に入れたけど、それはとても間に合わないから、仕方なく息子さん達が継承することにしたと。トランプ側は「何ら法律違反はしていません」って言ってるんだけど、その話を聞いて、私は予想通りだなって思ったんです。「あぁ、やっぱりこの人たちは当選するって思ってなかったんだな」って。まぁ可哀そうと言えば可哀そうな話なんですが、身から出たサビですからね。

この手の話は、もうすでにゴロゴロと出てるんですよ。そのなかでも最も大きい爆弾が、いわゆる「ドイツ銀行問題」。トランプ・オーガニゼーションっていう会社が、ドイツ銀行から日本円換算で900億円ぐらい、下手すると1000億円ぐらい借りてるんですよ。ドイツ銀行も経営がヤバいんで、返せっていう話になってるんですけど、トランプ側は無い袖は振れないってことで、ケンカになってるんです。そんな状況だけに、今後トランプさんがメルケル首相と会った際に、こっそり「ちょっとドイツ銀行の件で……」とか言い出したりって、彼ならやりかねないんですよね。どっかの怪しい王様の国とかならまだしも、アメリカの大統領がそれをやっちゃったら相当マズいですよね。

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そういった危うさは、誰もが何となく薄々と気づいているんです。ただ、それでも貧困層たちは彼のことを支持するんです。「あのお方は自らの額に汗して、政府から変な援助を受けたりインチキとかもしないで、酸いも甘いも心得て頑張ってきた苦労人なんや!そんなトランプはんをキレイごとで叩くなんて、とんでもない億万長者で、ニューヨーク・タイムズばっかり読んで、おほほと偉そうで、ヒラリーみたいに着飾って、とんでもないやつや!」みたいなノリで。

ところが「トランプリスク3連発」が発動して、やがて「トランプも私たちの味方じゃなかった」みたいな空気になる危険が、どこかにあるわけです。もしそうなったら、そこで政権は立ち往生ですよ。そうなったら、あの人は多分「やってられねえよ、アホらしい」ってことで、さっさとケツまくって辞めちゃうんじゃないかと思うんです。そんな政権放棄による混乱の可能性も含めた「トランプリスク4段ロケット方式」といった事態が、今後大いにありえそうな気がしますね。

――アメリカ国内の問題のひとつとして、格差社会が進んでいるという件も挙げられると思います。先日もニュースで、世界の8人の大富豪の資産と貧困層36億人の資産が同額だっていうデータが紹介されていて、これって去年は62人の大富豪だったはずなので、より進行しているように思われるのですが、そういった状況はトランプ政権下で是正されたりするのでしょうか?

冷泉:8人の大富豪の資産が……っていうのも、これって数字のマジックで、結局それが格差社会の象徴なのかって、ちょっと分かんないんですよね。なぜかっていうとビル・ゲイツさんなんか、自分の持ち株って売れないじゃないですか。やっぱり創業者で、株をずっと持ってたら、ものすごい額になっちゃうっていうのは事実なので。

だから、それを是正しろっていわれても非常に難しい。本当に是正しろっていうことになるんだったら、儲かる人は思いっきり儲かる代わりに、ベーシックインカムでみんな救いましょうみたいな話はひとつありますよね。あとは、ある程度以上儲かっちゃったら、「それは世の中変えちゃってるわけだから、もはやお金儲けじゃないでしょ」ってことで全部召し上げになっちゃったら、それはそれで困った話ですもんね。

そういう意味でいうと、これって正しい答えがない話で、取り沙汰するのもあまり意味がないのかもしれない。実際ゲイツさんなんて、ものすごい額の寄付してますからね。以前ちきりんさんが面白いこと言ってて、何の変哲もない人にお金を持たせるより、例えばゲイツさんが持ってることで、そのお金が本当に良いことに使われると。役人の給料に消えたりしないで、ちゃんと困っている人に届くようにやってるはずだから、それでいいじゃないか、みたいなこと言ってて。ネット上では炎上してましたけど、考え方としては悪くはないんじゃないかなって思います。ただ、そう考えると「自分の会社売ろうとしたら、借金まみれになっちゃうトランプさんって一体……」みたいな話になりますが。

ただ、確かに格差が広がっているのは事実なので、トランプさんがそれを是正するのかしないのかっていうと、シナリオとしたらダブルなんですよ。彼は先日すごい大事な発言をツイートしていたんですが、要するに「俺は世界に散ったアメリカの雇用を取り戻してアメリカの製造業をグレートアゲインするんだ」と。そのうえで「だけど最先端の技術で勝ち抜いてきた強いアメリカも維持するから、両輪でいくんだよ」とも言うんです。……それって、まったくもって正しいじゃないですか。日本のリーダーもそれぐらい言えよっていうぐらい、正論なわけですよね。そういうことで考えるとトランプさんも、そんなに変なことはしないで、とりあえずは雇用を何とかしようするんじゃないかと。

例えば、もしヒラリーさんに「8人の大富豪の資産が……」っていう話を振ったとするじゃないですか。そしたら彼女は「今は知的産業が全ての世の中。だから、今からでも学び直しができるように、大学をタダにしますよ。みんな頑張りましょう」なんて言うんだろうけど、だからって「わーい、じゃあ大学行こう」なんて思わないですよ、みんな。それに対してトランプさんは、「額に汗して働くような仕事が減ったのは、それをメキシコに持っていくやつらが悪いんだから、それを全部取り戻して皆にちゃんとした仕事に就かせてあげるよ」って言って、みんなそっちを支持したわけですよね。

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だけどトランプさんも、それは多分やらないですよ。実際フォードも、トランプさんの意向を受けて、メキシコ工場をキャンセルして、ミシガンの工場を拡大するって言ったけど、その工場の中で働くのはほとんどロボットになるって話ですからね。あと、トランプさんの取り巻きのテスラのアーロンさんなんて、ネバダ州の砂漠のど真ん中にメガファクトリーって言って、ものすごく巨大なリチウムイオン電池と電気自動車の工場をぶっ建てたんですけど、フルタイムの労働者はたった3000人、最初は700人しか雇用しないとか言ってて。そこも中を見たら、ロボットだらけだったんですよ。

経済学者のポール・クルーグマンがいいことを言っていて、アメリカの雇用を奪った製造業の敵は、実は自動化なんだよと。でもトランプさんは、自動化に関しては絶対に批判しないですから。それをやっちゃったら、ビジネスマンとして話を元に戻す話になっちゃいますからね。だから、この問題に関してもトランプさんはゴマかしの連続でいくんじゃないでしょうか。

(続く)
と、まだまだ続くインタビューは次回、冷泉さんのもう一つの顔である「鉄道評論家」として、いろいろとお聞きいたしました。近日公開予定のこちらのインタビューもお楽しみに。欧米、日本を中心とした世界情勢からビジネス、鉄道、カルチャーまで話題豊富な冷泉彰彦さんのメルマガは毎週火曜日配信で初月無料です。この機会にぜひご登録ください。
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『冷泉彰彦のプリンストン通信』
著者/冷泉彰彦
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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは毎月第1~第4火曜日配信。
(傍線引用:吉田祐起)

ヨシダブログ:1993年来、米国滞在で活躍されるご人物だけに、現地の状況を肌で感じられている内容と受けとめます。1993年と言えば、ヨシダが「一ヶ月間米国取材旅行」をした時代で忘れ難い年代です▼冷泉家(れいぜいけ)と言えば、「近衛中将に代々任官された羽林家と呼ばれる家柄の公家」 で、 冷泉天皇(れいぜいてんのう、天暦4年5月24日(950年6月12日)- 寛弘8年10月24日(1011年11月21日)、在位:康保4年10月11日(967年11月15日) - 安和2年8月13日(969年9月27日))は、日本(平安時代中期)の第63代天皇」・・・ということから、筆者の冷泉彰彦さんはそのご子孫?とまで好奇心を抱きました(笑)。ご本名は前田文夫氏で 作家の角川春樹さんから助言され命名されたと知りました▼ 前回の同氏著記事は、「No.6739:全米メディアは安倍トランプ会談の「成果」をどう報じたのか?MAGNEWS2017.2.21.(15日付)  )」でしたので、ご参考に供します▼「中見出し」は、■冷泉彰彦が予測するトランプ政権の未来と火種ですが、インタビューアーの投げ掛ける質問は11件で、それだけに判りやすい長文記事です。写真27枚添付ファイル)(143.82KB)
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